サポーターレベルアップ講座

サッカーをメインにして、他のスポーツに関しても独断と偏見で論じていきます。皆さんがスポーツを楽しむ、考える際の参考になれば幸いです。

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2010南アW杯・決勝戦

 W杯決勝戦は実力で上回るスペインの順当な勝利で終わった。
90分間で0-0、延長戦で1-0という結果は攻め合いを期待した
ファンには期待外れだったかもしれないが、十分に見ごたえのある
ゲームだった。

 戦術的にハイレベルなゲームだった。
オランダが美しいサッカーを捨てて、勝つ事に専念すると覚悟を決めて
挑んできた結果が、激しいボディーコンタクトとラフなタックルの連発で、
前半はかなり効果的だった。潰し合い、削り合いにスペインを巻き込む事に
成功し、ナーバスにさせたし、攻撃では、時折仕掛けるカウンターからの
「ロッベン」の高速ドリブルでチャンスを作った。攻守にわたりオランダの
ペースで前半は終わった。

後半はメンタルコントロール出来るスペインの落ち着いたパス回しの前に
オランダが徐々に消耗していくのが判った。

 スペインのサッカーは細かいパス回しで手数を掛けるのだが、そこだけ
注目してはいけない。バックパスは必要だからするのだし、足元から足元
へパスを通すのと、ワンタッチで簡単にはたく時も、そうした方が良い方を
選択している場合が多いのが判った。パスのコース、ポジションチェンジの
動き出しも同様である。そして全てのパスは何のためにあるかというと、
シュートしてゴールを上げるためにある。

日本の場合は、パス自体が最終目的のようになってしまい、そういった
ボール奪取からゴールまでの一連のプロセスの中でムダが多すぎるのだ。

 スペインの選手達は、ドイツやオランダが相手で、屈強な選手が至近距離
に居ようが、ラフファイトを仕掛けてこようが、落ち着いてボールを
コントロールして、周囲との連係も無難にこなしている。
 同じように、細かいパスを回して手数を掛けるサッカーでも日本の場合は、
ムダ、余計なパスが圧倒的に多いのが、ハッキリと判るではないか。

そして、サッカーは90分、あるいは延長を含めた120分で決着をつける。
そういうスポーツだという事。ドイツ戦・オランダ戦・極端に守備的な相手に
対して、前半は振り回して消耗させるだけでも構わないし、崩せる所を探す。
後半や延長戦で、ミスが出たり、得点するのは、そう行った積み重ねの結果
なのだ。

そいう眼でゲームを観たり、分析すると、更に楽しめるはずだ。



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テーマ:2010年FIFAワールドカップサッカー - ジャンル:スポーツ

スペインが残って良かった

 準決勝のスペイン対ドイツ戦は、実力通り、スペインが圧勝した。
点数こそ1-0で最少得点差だったが、この数字が両者の実力を現わして
いるなどと思っている人は居ないはず。

 過去の大会で、ドイツは恐ろしくつまらないサッカーだが、
異常な勝負強さで、観ていて楽しく攻撃的なサッカーをする人気チームに
手段を選ばず、汚く見苦しく勝って、準決勝や決勝に出てくるというのが
お決まりのパターンで、W杯をぶち壊す懸念を抱かせるチームだった。

今大会は、勝つためだけのサッカーではなくて、積極的にイニシアチブを
取って、相手陣内に攻め込むアグレッシブな戦い方で好感を持たれて、
一気に評価が高まったが、準決勝では、先祖返りの薄汚い、手段を選ばない
スタイルになってしまったのが非常に残念だった。

 前半、あそこまで、極端に守備的な戦い方を選択するとは、W杯に対する
冒涜以外の何物でもない。レベルに差はあるが、日本の大学選手権や総理大臣杯
の準決勝の方が面白いに違いない。

もし、あのまま行って、カウンター一発でドイツが「0-1」あるいはPKに
持ちこんで勝ち残っていたら、最悪のW杯になっていた事だろう。

 イングランドのゴールを認めていたら、ドイツは逆転負けをして準決勝に
出てこなかった可能性もあっただけに、あの誤審は大問題だ。
 ウルグアイから来た一匹の猿を除いて、スタジアムやテレビの前の人達、
全てが、ゴール、もしくはゴールの可能性が高いと判断したが、大変に不幸
だったのは、その猿が副審だった事だ。猿を国際審判にしちゃいけないよ。

 ブラジルは、日本人審判のケチの付けようの無い公正中立なジャッジに
ナーバスになって自滅。アルゼンチンはメッシ任せと、個人技に走って自滅。
そしてドイツは、スペインの攻撃力をを警戒しすぎて自滅。

 とにかく、決勝戦が「オランダ対スペイン」になって本当に良かった。

今大会の特徴とは?

 アルゼンチンが0-4でドイツに大敗したが、結果だけでなく内容も
お粗末の極致とでも言えるほど酷いものだった。

W杯で出た結果や新しい流れは、その後の4年間の世界のサッカー界の
方向性に影響する傾向が強い。では、今回のW杯から学ぶ事はなんだろう。

キーワードとして 「規律」「団結力」「組織力」「運動量⇒走力」
等があげられるかも知れない。その典型が日本とドイツであり、
アフリカ勢で初のベスト4を目前にまで迫ったガーナも、それに近いし、
スイスの守備もまた共通性を感じる。
 また大健闘した「アメリカ」や「ニュージーランド」「パラグアイ」
あたりにも、見る事が出来るのではないか。

逆に、そうでなかったのが「イタリア」「フランス」「アルゼンチン」
「カメルーン」「ナイジェリア」とは言えないだろうか。
この5カ国は、不甲斐ない結果よりも、本当に惨めな内容で醜態を
晒したではないか。

その流れの象徴的なゲームが、昨日のアルゼンチン対ドイツだったのでは
ないだろうか。アルゼンチンの「マラドーナ」の個人技優先のスタイル、
メッシの我儘を見逃し、自由にやらせる方法(戦術とは言えない)は、
ドイツに全く通用しなかったし、カウンター対策は無かったのでは、
としか思えないようなザル守備の連発。

 攻撃はスター選手に自由に任せて、前掛かりになったら、
面白いようにカウンタアーアタックの餌食になるって、まるでだ、
2006年大会でジーコが指揮した日本みたいじゃないか。

 そう考えると、準決勝に残った4チームの中で、
最も、注目されるのは「スペイン」だろう。規律や組織力に偏重せずに
華麗な攻撃サッカーが、どのように爆発するか期待したい。

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対パラグアイ戦の分析とベスト8への道

 対パラグアイ戦は内容的には決して優位に進めたわけではなかった。
勝つチャンスがあったとか、勝てた試合などと勘違いしてはいけない。

例えば、チャンスの数は以下のとおりである。

★・決定的なチャンスの数
日本   1回(21分)
パラグアイ5回(20分・28分・96分・98分・100分)

日本は、21分にバーを直撃した松井のSHのたった1回である。
それ以外に惜しかったのは、39分の松井⇒トゥーリオ⇒松井と繋ぎ、
最後は本田がダイレクトシュートしたのと、91分のFKで、ゴール前で、
中沢からトゥーリオへと渡り、飛び込んだトゥーリオの足が届かなかった。

以上のように得点の期待感を持たせたのは、僅か3回だった。
パラグアイは前半の立ち上がりから30分、後半の立ち上がりから20分、
延長戦の前半部分といった具合に、キックオフから先取点を狙って、
ガンガンと攻め込んで来た。試合巧者の南米勢に先取点を与えてしまうと
厄介になるから、この立ち上がりに失点しなかったのが、その後の善戦に
繋がったといえよう。

 日本は非常に守備が良く、またこぼれ球を実に良く拾いまくったのが、
最後まで崩れずに持ちこたえた要因となった。客観的に観れば、惜しい試合
というよりも、むしろよく延長戦を耐え抜いて、PK方式による決着まで
持ちこんだというべきなのが判ったと思う。

 フリーランスの政治ジャーナリストが、負けてベスト16程度で喜んでる
ようでは、ベスト4など夢物語だし、その風潮を批判的に書いていたが、
日本の現在の実力とアジアと世界のサッカー界の力関係を判っていれば、
ベスト16進出こそ快挙として評価するべきなのが、全く理解できない。
つまり「サッカー無知」というのを自らが証明してしまったのだ。
自分の専門外のジャンルに首を突っ込む時には、程度をわきまえるべきだ。
94年はドーハで負けて、98年はプレーオフでやっと出場権を掴んだ。
ベスト16&ベスト8の壁も簡単には乗り越えられないのは明白だ。

例えば、組み合わせが決定した時に、海外のメディアやサッカー関係者の
間の予想で、「この組を勝ち抜く2チームの有力な候補として日本が上がる」
そして負けたら番狂わせとして話題になる。そのような実力と評価を持てる
ようになった時に、ベスト8が現実的なものになるような気がする。


 

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岡田監督への、皆の激励的批判、効果満点!

ベスト8進出を掛けた対パラグアイ戦は、0-0の引き分け・PK方式により、
パラグアイの進出が決まった。明らかに実力で上回るパラグアイに対して、
日本はよく粘って善戦健闘したと評価されて良い。

 海外での大会でベスト16という史上最高の成績を残せた要因の一つは
、サポーターやマスコミから浴びせられた岡田批判だったのは間違いない。
セルビア戦、韓国戦と続いた惨敗に対して、【岡田辞めろ】【更迭せよ】
等といった、強い激励と懸念が込められた批判や抗議が、あったからこそ、
岡田自身も、このまま自分の理想である「美しい攻撃サッカー」に執着
していたら、ベスト4が目標などとは「キチガイの戯言」「誇大妄想」と
疑われても当然ではないかと自覚して【現実的な戦術を選択する】事で
良い結果を残せるだろうという常識的な判断が出来たのだ。

 つまり、周囲の批判によって≪幻想から目覚めて、現実を認識した≫
という事だ。

たとえば、もし韓国戦の後でも、「岡田さんの目指す方向性は正しい。
このままのやり方でもベスト4は確実ですから、批判など無視、軽視して、
現状通りの攻撃的で美しいサッカーでW杯に臨んでください」
等と、絶賛、狂賛して、支持と賛同の声ばかり届けていたら、どうなったか?

グループリーグで3戦惨敗して、アジア枠を減らそうという意見に説得力を
与える材料を提供したのも500%確実だった。また国内のサッカー人気も
低下して絶望的な状況に陥ったのも、500%確実だった。

岡田批判をしてきたサポーターやマスコミは、今大会の好成績を生んだ事に
貢献出来た喜びを分かち合い、岡田監督と選手を祝福しようではないか。

しかし、対韓国戦惨敗の直後に、無原則、無節操に「岡田支持」を公言した
マスコミ関係者は、日本サッカーとアジアサッカーを危機に追い込んだかも
しれない愚行を自覚して、猛省していただきたい。

岡田監督以下スタッフ、選手達に御苦労さまと言いたい。

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決勝トーナメント始まる

 ベスト16が決定して、決勝トーナメントが始まったが、
すでに行われた4試合はいずれも面白かった。

 これから先は本当の真剣勝負だ。勝負強いチームや強運のチームが勝つ。
面白いサッカーや楽しいサッカー、攻撃的なサッカーを行うチームが勝つ
とは限らない。むしろ、負ける可能性の方が高い。

イングランドは運に見放されてしまったし、韓国はウルグアイの勝負強さ、
ずる賢さ、試合巧者ぶりの前に散った。アメリカも、真面目にひたすら頑張る
だけでは勝てない事を教えてくれた。

今大会は、グループリーグで上位2位に入らなければ勝ち抜けなかった為に、
ベスト16には、色々な意味でハイレベルなサッカーを行うチーム、あるいは
勝ちぬける要素を持っていたチームだけが残ったと思える。だから、期待外れ
のようなゲームは激減するはずだ。
 
16チームの長所や短所がハッキリと現れるだろうし、上位を目標とする
チームは、コンディションをピークに持ってくるだろうから、それらに
伴い、ベンチワークを見るのも楽しみの一つになる。



対デンマーク戦は完勝

 デンマーク戦は完勝だった。

デンマークの特徴は、欧州予選でポルトガルの攻撃力に耐えた程の堅い守備力で、
攻撃的なチームではない。それが勝たなければいけない状況になったという時点で、
ハンディを負った事になる。普段は守っておいて、相手の隙を突いて速攻で得点を
狙うスタイルのチームが、点を取りに行かなければならないという事は、いつもとは
異なるコンセプト、ゲームプランを選択しなければならないのだ。
そうなると、無理や歪みが生じる危険性が高くなるから、相手に付け入れられる隙が
生じると考えられる。

 日本は無理攻めする必要はないから、デンマークが出てくる裏を突けば良い。
引き分けでも大丈夫という考えで受け身になるとやられるから積極的に攻めに出る
べき等というのは極めて日本人的な考え方で、そのような短絡的な見方は辞めよう。
今まで通りの戦い方を変更せずに続ければ良く、積極的な守備と手数を掛けない
速攻で対応すれば良いだけなのだ。それを岡田ニッポンは正確に実行しただけだ。

2発のFKで勝負は決まったが、GKのミスとか壁の作り方が失敗等という理由が
あっても「本田」「遠藤」のFKの価値を低めたり過小評価する理由にはならない。

 カウンターアタックは、どれも素晴らしかった。
オシムは個人プレーに走ったと批判的だが、あれだけ守備に走り回っている中で、
大久保も本田も長友も、ドリブルで一気に駆け上がり攻め込む姿は、今までの試合で
バックパスや横パスばかり選択していた日本人選手のプレーからは、信じられない
程の頼もしさを感じた人が多かったのではないだろうか。
 強引で無謀な時もあったが、かなりデンマークを悩ませ、嫌がらせるような
ドリブルとキープだった方が多かった。エゴイストだと言って初めから禁じたら、
あのような勇敢で迫力のあるドリブルは生まれなかったはずだ。

 日本が、これほど効果的なカウンターアタックを何度も見せたゲームというのは、
ちょっと記憶がないくらいだ。それがW杯の重要なゲームで出た事が素晴らしい。
決定力が無いと言われ続けてきた日本が「本田」 「松井」「大久保」の3人で、
ここまでの3戦とも、相手DF陣を振り回し、混乱させているのを見れば、有効な
攻撃とは、必ずしも人数と手数を掛ければ良いものではないのが判る。

 細かいパスを回してボールキープ力を高めるよりも、相手の守備陣形が固まる前に
SHまで持っていった方が得点の可能性が高いのだ。

 このデンマーク戦から教訓を学べる。
中沢・トゥーリオ・阿部の奮闘と好判断は正当に評価されるのは当然として、前線に
長身大型の選手を3~4人並べて、DFラインや中盤からのゴール前へのハイクロス
を多用する攻めは、一見、迫力があって得点の期待感を高めるが、あまり効果的では
ないのが判ったと思う。
 思い出そう。1974年ドイツ大会決勝戦の西ドイツ対オランダ戦を。
リベロが「ベッケンバウアー」ストッパーが「シュバルツェンベック」
両サイドが「ブライトナー」「フォクツ」で、ストッパーを除いては、空中戦が弱い
と懸念されていた西ドイツが、屈強なオランダの後半の怒涛の攻めを防ぎきったのを。



 

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ポルトガル対北朝鮮の結果をどう見るか

 北朝鮮がポルトガルに7-0で大敗したが、ショッキングな結果ではなくて、
冷静に分析すれば、理に適っている結果に過ぎないのが判る。

まず初戦のブラジル戦は、ブラジルが単なる調整試合と位置づけていたとしか
思えない程の鈍い動きと単調なサッカーだった事。対コートジボアール戦では
完全に別のチームのようにコンディションが上がっていた。

北朝鮮は5人のDFと3人のボランチが、自陣奥深く引きゴール前にへばりついて
守り、時折右サイドバックが上がるが、攻めはチョンテセめがけてロングボールを
蹴り込むだけという、日本よりも徹底した守備的なゲーム運びだった。
だから2-1という結果に終わったに過ぎず、惜敗でもなんでもない。

 対ポルトガル戦は、1966年大会のリベンジ等という意気込みが災いした。
まともに、正面から派手に打ち合うような感じで、向かっていったのだ。
前半から凄いハイペースで飛ばして、しかも、かなり高めから積極的にプレスに
行っており、DFラインも上げていた。このような分不相応な戦術が完全に
裏目に出てしまったのだ。

 後半は、スタミナ切れを起こして運動量が低下し、集中力も途切れてしまい、
非常に惨めな内容で、ボクシングならばタオルを投げ入れるような展開だった。

 北朝鮮がペース配分に失敗してというか、無視して飛ばし、後半ガタガタに
なるのは、別に珍しい事ではない。これはスタッフのゲームプランに問題が
あるのが容易に判るではないか。
 
 そして、気が付いただろうか。ポルトガルの選手が攻め込んで来る時に、
北朝鮮の選手は、全員がボールウオッチャーになると同時に、ボールを持っている
選手にしか対応していない。その結果、第二列目から出てくる選手がフリーに
なってしまい、誰もチェックに行っていない。
 右に左に振り回され、全速力で自陣に向かって戻るのが精一杯という惨状で、
ボクシングのボディーブローのように、時間の経過と共に、スタミナと集中力を
消耗して行ったのである。
 あるいは、両サイドに起点を作られて、DF陣をワイドに広げられた上に、
ドリブルとワンタッチパスを旨く組み合わせて、第二列から飛び出してくる選手を
活かすという戦い方をするチームとの対戦経験が不足してたのではないか。

 ポルトガルは、コートジボワールと0-0で引き分け、最終戦にブラジル戦を
残しており、2st進出はコートジボワールとの得失点差の争いになる公算が高い。
しかもコートジボワールの最終戦の相手は北朝鮮だから、ここは1点でも多く得点
を上げる必要がある。

 このように考えれば、7-0という結果は意外でも何でもなく順当なものだった
という分析が可能なのだ。

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メンバーチェンジのミスが響いた対オランダ戦、

オランダ戦は後一歩で引き分けに持ち込めたのが無念な結果に終わった。
親善試合での0-3完敗の印象が強かったので、試合前は不安だったが、
0-1の結果は、内容も含めて予想外の健闘と言って良いだろう。

後半立ち上がりから53分に失点した時間帯を除いて、オランダには
全くチャンスを作らせなかったのだから、悪い試合では無かった。
日本との力の差を考えたら、最少失点は許容範囲として受け入れて良い。

 前半の日本の守備は素晴らしかった。オランダに何もさせなかった。
オランダのチャンスはゼロである。
 後半の立ち上がりから、オランダのパスやボール回し、選手個々の動きが
スピードアップしたのに気が付いただろうか。前半は対応できていた日本
だが、それについて行けなかったのか、気持ちの切り替えが遅れたのか、
そこに世界レベルとの差を観る事が出来る。またオランダが得点後、
かさに掛って攻め込むのではなくて、引き気味になって、日本が同点を
狙って出てくる、裏を突こうとカウンター主体の戦術に変更したのも、
大いに学ぶべき事だろう。その選択が必ず正しいわけではないが、相手や
状況に応じて、格上のチームでも、このような戦い方をしたのだ。
時には、その方が追加点を取りやすいケースがあるという事だ。

 この試合の最大の問題点は岡田采配だった。
カメルーン戦では、岡田の采配、メンバーチェンジが見事にハマったのだが、
このオランダ戦では、全て空回りか妄想に終わった。

 その最たるものが中村俊輔の交代出場で、完全なミスで、失敗に終わった。
失点したから攻めに出る必要がある。その為に俊輔を攻撃の起点にしようと
いうのだろうが、小技に執着して、モタモタボールをキープしたり歩いたりで、
リズムを壊すは、挙句の果てがミスパスするわ、簡単にボールを奪われて
カウンターで決定的なピンチを招くで、散々な出来だった。
「流れを変える為ではなくて、得点する為に起用されたという自覚が無い」

 また、岡崎はSHミス、玉田に至っては、ピッチに居ただけの有様で、
毎度おなじみのパターン化した岡田の選手交代は、疲れたはずの松井や
大久保の方が、まだ効果的だったとしか思えない程に酷いものだった。

 どうすれば良かったか。
本田をMFに下げて起点にすれば俊輔を出す必要は無かったし、森本と矢野を
投入してツートップにした方が可能性があったのではないか。
森本は、このような展開の時、得点が欲しい時の為のスーパーサブだったのでは
ないだろうか。トゥーリオをトップに挙げたのはリスクを冒してでも得点する
という総攻撃体制を意味するのだから、韓国戦以降は絶不調の岡崎ではなくて、
森本の一発に期待するべきだった。矢野は高さと速さがあるから、トゥーリオと
前線で並べたら、オランダにも脅威となった可能性はあるし、運動量豊富で
守備も出来る選手でもFWなのだから、逃げ切り態勢に入った場合でなくても
起用する価値はあるはずだ。

 岡田が特定の選手に執着した事と、パターン化した選手起用の2点が、
引き分けに持ち込めたかもしれないゲームを落としてしまったのだ。

 カメルーン戦、そしてオランダ戦の前半と、勝利の為に、超守備的な戦術で、
就任以来のコンセプトを大幅に修正したゲームプランで結果を出してきたのだから、
ここでも、その流れを継続するべきだった。

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アルゼンチン対韓国

 アルゼンチン対韓国は面白かった。

 内容でも結果でも、文句なしのアルゼンチンの完勝だった。
史上最強委という触れ込みと、対ギリシャ戦に2-0で勝った事で、
韓国は、相当に行けると思ってたようだが、ギリシャ戦も完勝では
なくて、ギリシャにも決定的なチャンスが結構あったから、2-2で
引き分けてもおかしくなかった。

 前半の韓国の戦い方、戦術的な選択のミスを指摘する声が上がったが、
それは結果論で、例えば、オシムなんかも、もっと積極的に行けば、
という事を言ってたが、前半は自陣に引いてたから、2点で済んだだけ。
後半、前掛かりになったら、アルゼンチンのカウンターが炸裂した。

 前半のアルゼンチンのチャンスは4回・韓国は1回
 後半は、アルゼンチンは7回・韓国は1回

後半の立ち上がりから韓国は積極的に前に出てきてアプローチも速く、
アルゼンチンは運動量が低下して、手こずったように見えるけども、
実はチャンスの数は後半の方が倍近くあったのに、韓国は前後半とも
1回ずつだったという数字を観れば、両国の力の差は如何ともしがたい。

 そういう分析が出来るはずで、おそらく韓国が開始直後から後半の
ように積極的に仕掛けて行ったら、同じようにカウンターでやられたと
思った方が良いのだ。前半だけで3~4点入ってゲームが終わってしまい
後半は間延びする展開になったのではないか。

パク・チソンも、マンチェスター・Uでは、第二列から飛び出す動きで
ワールドクラスの評価を受けたが、トップ下から中盤あたりでパスを
出す役割では、全く通用しなかったという事だ。
 後半、左サイドに回したのは、そこにボールを集めて起点にさせようと
いう意図があったのだろうが、それもまた機能しなかった。

 トップ下で使うならば、後ろに中田ヒデが居たら面白かったと思うし、
左サイドに置くならば、守備の負担を少なくするべきだった。

 アジアでは、競り合いと球際の強さでは際立っている韓国が、
アルゼンチンの選手、特にメッシやテベスの前では、3~4人がかりで
潰しに行っても振り切られたのが印象的だった。

というわけで、アルゼンチンの強さ、凄さだけが目立ったゲームだったが、
韓国が酷かったというのではなくて、実力差はどうしょうもないだけで、
≪ベスト16が目標≫と言った、パク・チソンの大会前の発言は非常に
現実的かつ常識的なものであって、世界との差を判ってるという事だ。
  

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