ドイツと2-2の引き分けという結果で、ホッとした人が多かったのではないかと思う。このドイツ戦で注目するべき点は、戦術面でジーコ就任から大きな変更が見られた事だ。
1・フォーメーションを3−5−2にすると決めた事。
2・守備を重視したスタイルに切り替えた事
3・マイボールになってから、手数を掛けずに速攻を仕掛ける 戦術に転換して成果が出た事
まず1の点で言えば、ジーコは就任当初から4バックへの執着心が強く、ここまでのゲームでは、重要な区切りとなるような時には、4−4−2で臨んでいた。また黄金の中盤へのこだわりもあったのだが、W杯本番で勝つ為に、現在の日本の戦力では、3−5−2がスムーズに行く事と、「小野」「稲本」をサブに回す決断を決定的にしたと見られる。
W杯のような大会で、ハイレベルの相手との対戦では、守備を固めて速攻というスタイルを選択する方が、リスクが少なくて良いのだ。
2の点に関しては、これはもっともサプライズだったのではないだろうか。一番の特徴は中田英に自由に攻撃参加させずに、中盤の守備とDFラインとのバランスを考えて動くように制約を与えた事である。今までのゲームのように「自分勝手に攻め上がるのではなく」ボランチの位置から、精度の高いロングパスやサイドチェンジのパスを出す役割に比重を置いたプレーが目に付いた。「高原」「柳沢」の二人が中盤に戻ってプレスを掛けていたし、加地も中にしぼって守備で随分貢献していた。
ただし、このゲームでも2点をリードしてから、また1点差に追い上げられても、守備の修正を行なわず、しかも投入したのはFWだったという、ジーコ采配は変化が無かったのは、どう評価してよいか?
3の点は、中田と中村の二人の存在と経験が大きいのではないか。今までは、ショートパスを細かく何本も回して、確かにパスを回す事が目的ではないかと思えるような時もあったのだが、このドイツ戦では一気に相手の裏を狙って、縦に速いパスを出す展開が多かったのだが、2月のフィンランド戦・ボスニア戦では、巧くいかずにカットされていたのが、精度と鋭さが増していた。相手にとって相当な脅威になると思われる。
キリンカップを見て、このままでは3戦全敗かと予想してたけど、これなら、1勝1分け1敗で、2位通過の希望が持てそうだ。全体的にコンディションも良いし、「高原」「柳沢」も素晴らしい出来栄えだった。これなら、攻撃は結構いけるんじゃないか。
ドイツのコンディションが、必ずしもベストではなく、日本対策が万全ではなかったという面は考慮しなければいけないが、日本は、格下の相手よりも格上の相手のほうが良いゲームをするのも改めて判った。

