浦和レッズがまさかの敗戦で優勝を逃したように見えるが、天皇杯で愛媛に完敗した時点で想定内の出来事だったといえるのではないか。
愛媛戦では主力メンバーの一部を休ませたのが裏目に出たのだが、あのゲームで問題点が露呈してしまった。レギュラー組は動きが鈍く、控え組はゲーム感覚が無く凡プレーの連続だった。リーグ最終戦の横浜FC戦に備えた采配のつもりが、今までほとんどのゲームをメンバーを固定して戦い続けたツケが一気に噴出してしまったのだ。
守備的な戦術を採用した事とか、決定力不足だとかではなく最大の要因は、そのような硬直した選手起用法にある。開幕前にレッズはアジアチャンピオンとJリーグの両方のタイトル、更には天皇杯をも獲得するために積極的な補強に努めたではないか。
しかし、この結果を観てしまえば、他のクラブならばレギュラーで常時出場可能な実力を持った選手が控えにいるという豪華な選手層は一体何の為にあったのかという疑問が湧いてくる。愛媛戦での相馬のお粗末なプレーは象徴的だった。日本代表候補に入る程の選手がJ2相手に翻弄されてしまい、その原因は能力不足ではなくゲーム感覚の欠如だったのだから。
愛媛戦から横浜FC戦までわずか2日間の休養しかなかった。その短い間では長期間に及び蓄積された疲労は取れずコンディションは回復しなかったのだ。
横浜FC戦での、レッズの選手たちの運動量の少なさ、動きの鈍さ、体の切れの悪さは目に余るものがあった。選手はロボットではなく生身の人間である。
好調時でのレッズの実力ならば「愛媛」「横浜FC」両チームには軽く圧勝しただろう。
クラブW杯に向けて大切なのは気分を入れ替えるのではなく休養とコンディションの調整だ。このままでは惨敗確実だ。
来シーズンもオジェックと契約済みだそうだが、今シーズンの選手起用法を変更しなければ、いくら補強したところで、また同じことを繰り返すだけだ。何の為に交代枠が3人あるのか、なぜ選手層を厚くして控え組を充実したのか、これがオジェックに課せられた来シーズンのテーマだ。
それに加えて、ナビスコカップとJリーグのベストメンバー起用を強要し続けるJリーグ当局にも責任はある。クラブ事情と監督の判断によって、各ゲームの出場選手は決められるべきであり、それがレギュラー主体の、いわゆるベストメンバーではなくても一向に構わないのだ。
そういう点では浦和レッズが日本サッカー界念願だったACLのタイトルを獲得したが、ナビスコカップ・天皇杯・Jリーグと国内3つのタイトルを獲得できなかった事は、むしろ悪い前例を作らなかったという点では評価すべきだろう。

